パルミジャーノ・レッジャーノ
ParmigianoReggiano
1,000年の歴史が紡ぐ豊かな味わい
パルミジャーノ・レッジャーノの魅力は、その名前に秘められた歴史から始まります。イタリアが誇るこのチーズは、中世の伝統を今に伝える文化的遺産として、世界中の食卓に物語を運んでいます。このセクションでは、パルミジャーノ・レッジャーノの起源を掘り下げ、その歴史的価値と文化的意義を探ります。
1. 味の特徴と品質の秘密
歴史と製造過程
パルミジャーノ・レッジャーノは、その「1000年の歴史が紡ぐ味わい」により、世界中の食通や料理愛好家から高く評価され続けています。このチーズは、単に味わうだけでなく、食文化の一部としての役割も果たしてきました。その歴史的背景と製造過程の完璧な調和が、パルミジャーノ・レッジャーノを世界の食卓に欠かせない存在にしています。
原料となる牛乳は、地元で放牧された乳牛から搾られた新鮮なもののみを使用。銅釜で温めた牛乳に乳酸菌とレンネットを加え、凝固させ、その後カードと呼ばれる塊を切り分け、型に入れて圧搾。 型から外したチーズは、約20日間塩水に漬けられ、その後、温度と湿度が厳密に管理された熟成庫で、最低12ヶ月間熟成されます。熟成期間が長ければ長いほど、チーズの風味は複雑で濃厚になります。
参考
チーズ百科事典 (成美堂出版)
世界のチーズ図鑑 (地球丸)
パルミジャーノ・レッジャーノ協会公式サイト
Wikipedia: https://en.wikipedia.org/wiki/Parmigiano-Reggiano
研究論文
Parmigiano-Reggiano cheese: a review of its production, composition, and sensory characteristics.
味の特徴
パルミジャーノ・レッジャーノは、イタリアを代表するチーズ。その味わいは、濃厚な旨味と塩味とほんのりと感じる甘みが特徴です。
熟成期間が長くなるにつれて、アミノ酸が結晶化し、旨味が増していきます。また、タンパク質が分解されて、味わいはより複雑で豊かになります。繊細ながらも力強いその味は、パスタやピザ、サラダ、スープなど、さまざまな料理の味を引き立てます。
品質の秘密
パルミジャーノ・レッジャーノの品質は、その製造過程に秘められています。
添加物や保存料を一切使用しないナチュラルチーズのパルミジャーノ・レッジャーノ。厳しい品質管理のもとで生産され、熟成期間終了後、専門家による検査が行われ、品質基準を満たしたチーズのみが「Parmigiano Reggiano」の認定を受けることができ、そして世界へと流通されていきます。
熟成期間は最低12ヶ月から、風味豊かなものでは36ヶ月以上に及びます。この長期間の熟成が、パルミジャーノ・レッジャーノ独特の味と質感を生み出します。
2. 健康へのメリットと栄養価
パルミジャーノ・レッジャーノの栄養成分と健康効果
パルミジャーノ・レッジャーノは、その独特の風味と栄養価で高く評価されている100%天然のチーズです。30%が水分で、残りの70%が栄養素で構成されています。
パルミジャーノ・レッジャーノは、カルシウムやリンなどのミネラル、タンパク質、ビタミンB2などの栄養素が豊富に含まれています。
*2000キロカロリーの食事を摂っている成人の場合、パルミジャーノ・レッジャーノを25g摂取すると、カルシウムの1日の推奨摂取量の約36%、リンの約24%を補給できます。
*参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より
高タンパク
このチーズは高タンパクであり、100gあたり約32gのタンパク質を含んでいます。
タンパク質は筋肉の修復や成長に重要であり、特にベジタリアンやプロテインを多く摂取する食事をしている人にとって価値のある栄養源です。
日本人にマッチしたナチュラルチーズ
また、パルミジャーノ・レッジャーノは低ラクトース(乳糖)であるため、乳糖不耐症の多い日本人でも比較的安心して食べられます。
伝統的な製造過程でラクトースはほぼ完全に分解されるため、ラクトースフリーといえる自然食品といえます。
豊富なカルシウム
カルシウムの含有量は特に優れており、100gあたり約1,155mgを含んでいます。これはカルシウムの日推奨摂取量の大部分を占めるため、骨や歯の健康、神経伝達、筋肉機能を維持するために非常に有効です。
参考
https://wine-what.jp/foods/pairing/41602/
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より
USDA FoodData Central「Parmesan cheese」
若干注意したいポイント
このチーズは脂肪分が比較的高く(100gあたり約29.7g)、そのうちの飽和脂肪が約19.6gを占めます。そのため、脂肪の摂取量に敏感な方は摂取量を考慮する必要があります。
また、塩分含有量もにも注意が必要です。パルミジャーノ・レッジャーノは熟成過程で塩が加えられるため、一般的に塩分含有量がやや高めです。特に低ナトリウムの食事を心がけている方は、量を調節することが大切です。
3.「コクのたっぷりリゾット」
材料
- アルボリオ米(日本米でも代用可): 200g
- パルミジャーノ・レッジャーノ(削りたて): 100g
- 玉ねぎ(中サイズ): 1個
- 白ワイン: 100ml
- チキンスープ: 300ml
- ホールトマト缶: 500ml
- オリーブオイル: 大さじ2
- その他、お好きな素材
- バター: 30g
- 塩: 適量
- 黒胡椒: 適量
調理方法
1. 準備(5分)
玉ねぎをみじん切りにする。
パルミジャーノ・レッジャーノを削る。
2. 炒める(5分)
鍋にオリーブオイルを中火で熱し、玉ねぎを透き通るまで約5分間炒める。
3. 米を加える(2分)
水洗いしていないアルボリオ米を加え、米が透き通るまで約5分間炒める。
オリーブオイルでコーティングするような感覚で炒める。
4. 白ワインを加える(3分)
白ワインを注ぎ、アルコールが飛ぶまで約3分間煮る。
5. スープを加えて煮る(10分)
温かいままのチキンスープを少しずつ加えながら、米が柔らかくなるまで約10分間煮る。
この際、火加減は中火を保つ。
その後、お好みでホールトマトを入れる。
6. 仕上げ(5分)
・火を止め、削ったパルミジャーノ・レッジャーノとバターを加える。
・塩、黒胡椒で味を調える。
このレシピは、2~3人分の量となっており、ご家族や少人数の集まりに最適!
シンプルながら風味豊かなリゾットを楽しむことができます。